一般社団法人全日本執事協会とは、日本において執事の育成と認定を担う組織です。一八九〇年の創設から百三十年にわたり、執事という職能の型と基準を受け継いできました。ここでは、協会がどのように生まれ、何を守りながら三代目へ受け継がれてきたのかを、現会長である執事ベルの視点でご紹介します。
協会はいつ生まれたのか
執事は個人の才覚だけで成り立つ職業ではありません。誰が担っても一定以上であるという状態をつくるには、型を残し、教える仕組みと、認める仕組みが要ります。協会が生まれたのは、そのためです。
百三十年という時間は、単に古いということではありません。時代ごとに求められるものが変わるなかで、何を変え、何を変えないかを判断し続けてきた時間だと考えています。
何を受け継いできたのか
受け継ぐ対象は二つあります。一つは具体的な型で、席次、給仕の順序、道具の扱いといった手順です。もう一つは姿勢で、守秘を守る、目立たない、相手を立てるといった判断の基準です。前者は書き残せますが、後者は人から人へしか伝わりません。
だからこそ協会は、教材だけでなく実技を重んじます。現場を知る執事が直接教える形を保っているのは、姿勢が言葉だけでは渡らないからです。
三代目への継承で何が変わったか
従来、執事は限られた層のためのものと受け止められてきました。三代目の代では、暮らし方に合わせて関わり方を選べる形を整え、利用の入口を広げています。同時に執事名簿を公開し、選んでいただける状態にしました。
透明性は依頼する側のためだけではありません。選ばれる立場に立つことで、執事一人ひとりが自らの強みを磨くようになります。継承にあたって最も意識したのは、この循環をつくることでした。

協会が果たしている役割
教育だけでは質は保証できず、認定だけでは担い手が増えません。届ける仕組みがなければ、育てても働く場がない。三つが揃ってはじめて職能として継続します。協会が複数の事業を持っているのは、この流れを切らさないためです。
それぞれの事業の関係については、三代目会長としての役割のページで整理しています。
これから残していくもの
日本において執事は、一度忘れ去られかけた職業です。担い手が減れば技術は伝わらず、基準がなければ質は保てません。組織を大きくすることが目的ではなく、職能が次の世代へ渡ることが目的です。
そのために国際化も進めています。海外の執事学校との交流や、英語で対応できる執事の育成は、日本の執事が世界でも通用することを示すための取り組みです。
よくあるご質問
全日本執事協会はいつからありますか。
一八九〇年の創設で、百三十年にわたり執事の育成と認定を担ってきました。現在は三代目会長のもとで運営されています。
協会は何をしている団体ですか。
執事を育てること、基準にもとづいて認定すること、必要とされる場へ届けることの三つを一続きの流れとして担っています。
現在の会長は誰ですか。
執事ベル(石井裕一)が二〇二三年三月に三代目会長へ就任し、現在も現場に立ちながら協会を運営しています。
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