
暮らしを丸ごと支える
家政の記録、食卓、来客、ご家族の見守り。家の中で起きることを一人の執事が通して見るので、家族が家の運営から解放されます。

全日本執事協会が運営する執事サービスです。協会が育て、認定した執事が、ご家庭、事業の場、そして特別な一日へ向かいます。頭取として協会を率いる立場から、このサービスが何であり、どう使うものかをお伝えします。
THE BUTLERは、一般社団法人 全日本執事協会が自ら運営する執事サービスです。協会は執事を育て、基準で認め、階級を与える組織ですが、育てた執事が働く場所まで用意しなければ、認定はただの紙になります。そこで協会は、執事を依頼したい方と、認定を受けた執事とを結ぶ窓口を自分の手で持ちました。それがTHE BUTLERです。
私が頭取として大切にしているのは、この窓口が「紹介所」ではないという点です。THE BUTLERの執事は協会の作法に沿って動き、協会が定めた守秘と規律に縛られ、現場で何かがあれば協会が責任を負います。依頼主にとっては、一人の執事と契約するのではなく、協会の基準そのものを家に迎える形になります。
対象はご家庭に限りません。経営者の身の回り、事業の来客、記念日や式典といった特別な一日まで、執事が役に立つ場面は思いのほか広い。THE BUTLERは、その広さを「五つの段階」と「四つの専門」に整理して、初めての方でも選べるようにしています。
執事ベルの読者の方には、THE BUTLERを「執事ベルの会社」と思われることがありますが、正確には違います。運営は協会であり、私は協会の頭取として、また一人の執事として関わっています。誰かの個人商店ではなく、135年の基準を持つ組織のサービスであることを、まず知っておいていただきたいのです。
協会が窓口を自分で持つことには、もう一つの理由があります。執事を頼みたい方が最初に出会うのは、執事本人ではなく窓口だからです。窓口の応対が雑であれば、そのあとにどれほど優れた執事が伺っても、最初の印象は取り戻せません。ですからTHE BUTLERの窓口には、協会の作法を知る者が座ります。電話の受け方、返信の速さ、伺う言葉の選び方まで、窓口もまた執事の仕事の一部だと考えています。
もう一点、誤解されやすいので書いておきます。THE BUTLERは人を貸す事業ではありません。執事は協会の基準を携えて伺い、そのうえでその家の決め事に合わせて働きます。同じ執事であっても、伺う家が違えば動き方は変わります。型は一つ、現れ方は家の数だけある。それが協会の考える執事の仕事です。

THE BUTLERの依頼は、時間の長さで五つの段階に分かれています。数時間の給仕から常駐まで、どの段でも同じ基準で認定された執事が向かいます。段を上げるほど、執事が引き受ける範囲は「その場の仕事」から「家全体の運営」へ広がります。

来客の迎え入れ、給仕、ちょっとした催しの支度など、数時間単位で執事を迎える段階です。「執事のいる時間」を試してみたい方の入口として、多くの方がここから始められます。

朝から夕方まで、一日の段取りを執事が組み立てます。来客の予定、食卓、外出の支度を一人が通して見るので、その日の家がひとつの流れとして動きます。

別荘での滞在、来賓を迎える一週間、催しの前後といった期間を通して執事が付きます。日ごとに人が替わらないため、好みや癖を覚えた執事が先回りできるようになります。

月ぎめの契約で、家の運営そのものを執事が見渡します。家政の記録、出入りの業者、贈答や季節の支度まで、家の中で起きることを一冊の帳面に集める役目です。

常駐し、家全体と使用人を束ねる最上位の段階です。THE BUTLERの階級で言えば、執事の上に立つ家令の役目にあたり、協会が認めたマスター級の執事が務めます。
THE BUTLERへの相談で最も多いのは、実は「執事を雇うほどの家ではないのですが」という前置きです。私はいつも、それは順序が逆だと申し上げます。執事がいるから家が整うのであって、整った家に執事が来るのではありません。数時間の給仕から始めて、必要に応じて段を上げていけばよいのです。
ご家庭では、来客の多いお宅、ご高齢のご両親を見守りたいご家族、共働きで家の運営が回らないご夫婦から相談をいただきます。事業では、経営者の身の回りを整えたい会社、来客に品格のある応対をしたい店舗や医院、社員のマナーを執事の作法で底上げしたい企業が続きます。
ご相談の入口で私がよく伺うのは、いま家の中で誰が一番疲れているか、ということです。家事の量ではなく、段取りを考えている人が誰かを知りたいのです。買い物の手配、来客の日程、贈答の記録。手を動かす仕事より、考え続ける仕事のほうが人を消耗させます。執事がまず引き受けるのは、その考える部分です。
事業のご相談では、逆に、お客様が最初に会うのは誰かを伺います。受付、案内、来客のお茶。会社の印象はその数分で決まるのに、そこを任されているのは多くの場合、最も経験の浅い方です。執事がその場に立つだけで、取引先の受ける印象は変わります。
ご相談の半分ほどは、実は依頼に至りません。伺ってみると、必要なのは執事ではなく、家事を手伝う方や、書類を整理する方だった、ということがあります。そういうときは、はっきりそう申し上げます。執事が要らない家に執事を勧めれば、その家は執事という職業そのものを誤解したまま終わってしまう。窓口が断ることも、協会の仕事のうちです。
来客の応対、食卓、ご両親の見守り、家政の記録。まず数時間から試し、家に合う段階を一緒に探します。
経営者付き、来客応対、社員研修。事業の場では、執事が「会社の顔」として立つことの意味を先にご説明します。

段階とは別に、場面ごとに鍛えた四つの専門があります。同じ執事の作法を土台にしながら、経営の場、街歩き、紅茶、要人応対へと、それぞれの技能を深めた執事です。

経営者の一日を、秘書とは別の角度から支えます。会議室の支度、来客の迎え、移動の段取り、そして人前では言えない一言を受け止める役目です。

街歩きや旅先でお客様の一歩先を行き、店や道や作法を案内します。国内外のお客様に日本の作法で接する場面で力を発揮します。

茶葉、湯温、器、時間。紅茶の給仕を一つの技能として磨いた執事です。会社の応接、催し、ご家庭の午後に、紅茶の時間そのものを届けます。

式典や要人の来訪など、失敗の許されない応対を受け持ちます。受付から見送りまでを一人で設計し、催しの品格を保つ役目です。
THE BUTLERの公式サイトには、在籍する執事の名前と顔、階級、得意な場面が載っています。私はこれを「執事は選ぶ時代へ」という言葉で語ってきました。誰が来るのか分からないまま執事を頼む時代は終わりにしたい。相性は技能と同じくらい大切で、それは写真と経歴を見て初めて判断できるものだからです。
指名をいただいた執事は、依頼の前に打ち合わせの席に着きます。家の決まりごと、呼び方、してほしくないこと。ここで聞いたことは執事の帳面に残り、次の依頼でも引き継がれます。指名は一度きりの選択ではなく、その執事との関係の始まりです。
指名がない場合は、協会が場面と段階に合う執事を選びます。その場合も、必ず事前に名前と顔をお知らせします。玄関を開けたときに初めて執事の顔を見る、ということはTHE BUTLERにはありません。
公開している執事の一覧には、階級のほかに、得意な場面と、本人の言葉が添えてあります。私はこの「本人の言葉」を大切にしています。写真と経歴は協会が書けますが、言葉は本人にしか書けません。依頼主が読んで「この人に頼みたい」と思う一文があるかどうかで、相性の半分は決まると考えています。
指名を迷われる方には、階級ではなく場面から選ぶことをお勧めしています。上の階級の執事が常に良いというわけではありません。数時間の給仕であれば、その場面を数多く踏んだ執事のほうが滑らかです。階級は担える幅を示す目安であって、その日の出来栄えを保証する順位ではないのです。

執事は家の内側に入ります。金庫の場所も、家族の関係も、体調も知ることになる。だからTHE BUTLERでは、技能よりも先に守秘を確かめます。協会の審査で守秘の理解に疑いがある人は、どれだけ所作が美しくても現場に出しません。
現場に出てからも、執事は一人ではありません。協会が定めた記録の作法に沿って日々の出来事を残し、判断に迷えば協会に相談します。依頼主から見ると、執事の背後に協会が控えている形です。何かが起きたときに「執事個人の問題」で終わらせない、これが協会が運営する執事サービスの意味です。
同時に、執事の側も守ります。無理な要求や品位を損なう指示には、協会が間に立ってお断りします。依頼主と執事の双方が守られてはじめて、長く続く関係になります。
守秘は、外に漏らさないことだけを指すのではありません。家の中で知ったことを、家の中でも口にしないという規律を含みます。ご家族のお一人から聞いた話を、別のご家族には伝えない。執事が家の中で中立でいられるのは、この線を守っているからです。

技能の話をする前に、決めてあることがあります。どれも依頼主を守るための取り決めで、執事の都合で変えることはできません。
玄関を開けたときに初めて執事の顔を見る、ということはありません。指名がない場合も、伺う者を事前にお知らせします。
顔ぶれが毎回変われば、そのお宅は決まりごとを一から話し直すことになります。交代が要る折は、前の者から次の者へ申し継ぎを済ませます。
執事が要らない家に執事を勧めません。資格の要る行為も引き受けません。できないことを曖昧にしないことが、依頼主を守ります。
全日本執事協会は1890年に創立され、執事の育成、認定、法人研修、そしてこのTHE BUTLERを運営しています。育てる場である日本執事アカデミー、認める場である協会、働く場であるTHE BUTLERが同じ屋根の下にあることが、このサービスの土台です。
現場で見えた課題は協会に戻り、基準の見直しや学校の課程に反映されます。たとえば依頼主から「執事が話しすぎる」という声があれば、それは個人への注意で終わらず、間合いの教え方そのものが見直されます。THE BUTLERは協会にとって、執事文化の実験室でもあります。
私は協会の頭取であると同時に、THE BUTLERの一人の執事でもあります。育てる側と働く側を同じ人が兼ねているからこそ、教室で教えたことと現場で求められることの間に、ずれを残さずにいられます。
協会が現場を持つことの効き目は、教科書の改訂の速さにも表れます。現場で同じ躓きが三度続けば、それは個人の不注意ではなく教え方の欠落です。私はその三度目を待たずに、アカデミーの課程へ差し戻すようにしています。
協会の事業であることは、執事一人あたりの数を抑えることにも表れます。人を増やせば依頼は多く受けられますが、認定の段を保ったまま増やせる人数には限りがあります。THE BUTLERがご希望の日程を必ずお受けできるわけではないのは、そのためです。数を追わないことを、私は不便ではなく約束だと考えています。

THE BUTLERが執事を送り出す先は、大きく三つに分かれます。暮らしの場、事業の場、そして特別な一日。どの領域でも執事の作法は同じですが、求められる先回りの種類が違います。

家政の記録、食卓、来客、ご家族の見守り。家の中で起きることを一人の執事が通して見るので、家族が家の運営から解放されます。

経営者の身の回り、来客の応対、社員研修。執事が「会社の顔」として立つことで、取引先が受ける印象そのものが変わります。

記念日、式典、要人の来訪。一度きりの日に執事がいることで、その日の記憶が「段取りの良かった日」から「執事のいた日」に変わります。
執事を家に迎える前に、運営者が誰で、どこにいて、どういう手順で相談できるのかを知っておいていただきたい。THE BUTLERは協会の事業ですから、素性は協会の素性そのものです。
料金や細かな条件は時期によって改められるため、このページには載せません。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
素性を明かすというのは、住所と法人名を並べることだけではありません。誰が責任を負うのかを名指しできる、ということです。THE BUTLERで何かが起きたとき、お詫びに伺うのは担当者ではなく、頭取である私です。執事を家に迎えるというのは、それだけ深く人を入れることですから、責任の所在は曖昧にしません。
一般社団法人 全日本執事協会(1890年創立・2025年2月に法人設立)。
東京都江東区青海二丁目(お台場)。協会の本部と同じ場所にあります。
ご家庭、法人、催しの主催者。個人・法人を問わずご相談いただけます。
協会が認定した執事のみ。名前・顔・階級を公式サイトで公開しています。
公式サイトの窓口から。打ち合わせののち、段階と執事を決めて当日を迎えます。
日本語のほか、海外からのお客様への応対も承ります。詳細は公式サイトへ。

初めて執事を頼むとき、一番の不安は「何をどう頼めばいいのか分からない」ことだと思います。THE BUTLERでは、その不安を段取りで解きます。第一に、公式サイトの窓口から、場面と日時を伝えていただく。難しい言葉は要りません。「来客が三組ある日に、給仕をしてほしい」で十分です。
第二に、協会の担当者が段階と専門を提案し、執事の候補をお見せします。第三に、指名した執事と打ち合わせをし、家の決まりごとを伝えます。第四に、当日。執事は約束の時刻より前に着き、家の様子を確かめてから玄関に立ちます。
当日のあと、協会から短い伺いを差し上げます。良かった点だけでなく、気になった点を聞かせていただくことで、次の依頼は必ず今回より良くなります。
四つの段取りのどこでも、迷われたら止めていただいて構いません。打ち合わせの席で、やはり今回は見送りたいと言われることもあります。私はそれを歓迎します。執事を迎えるのは家の決め事ですから、納得しないまま当日を迎えるより、一度止まったほうがよい。断りやすい窓口であることも、窓口の質だと考えています。
当日にご用意いただくものは、実はほとんどありません。掃除をしてお迎えいただく必要もありません。整った家に執事が来るのではなく、執事が来て家が整うのですから、いつもの家のままでお迎えください。事前に伺っておきたいのは、触れてほしくない場所と、入ってほしくない部屋の二つだけです。

実際の依頼から、執事がいることで変わった場面を三つ挙げます。いずれも協会の許可を得て、個人が特定されない形で記しています。

ご夫婦の記念日に、給仕とケーキの段取りを執事に。ご主人は席を立たずに一晩を過ごし、「準備をした側」ではなく「祝われる側」でいられたと話されました。

ご家族の滞在にウィークリー・バトラーが同行。到着時の荷ほどきから帰る日の戸締まりまで、家族は一度も家事の相談をせずに休暇を終えました。

会社の式典で、来賓の受付と誘導をバトラーコンシェルジュが担当。名簿の照合から席への案内まで一人が通して見ることで、受付の列が一度も滞りませんでした。
頭取という肩書を持っていても、私の本業は執事です。講演や取材のない日には、私自身がTHE BUTLERの一人として現場に立ちます。頭取が現場を離れた瞬間に、基準は机上の言葉になる。そう考えているからです。
現場で私が見ているのは、依頼主の目線です。執事が何をしたかではなく、依頼主が何を感じたか。その積み重ねが協会の基準になり、アカデミーの教科書になり、次の執事の所作になります。THE BUTLERは、私にとって執事文化の出発点であり、帰ってくる場所です。
現場に立ち続けていると、依頼主より先に自分の癖に気づきます。私は昔、先回りが過ぎました。求められる前に動くことが執事の腕だと思っていたのです。いまは半歩待ちます。待ったうえで動いたほうが、相手は自分の家にいる心地でいられる。頭取が現場に立つのは、この種の気づきを持ち帰るためでもあります。
私がいま一番気にかけているのは、執事の数ではなく、執事が辞めない仕組みのほうです。腕の立つ執事ほど、家の事情に深く入り込み、疲れを口にしません。協会が現場の記録を読み、依頼の間隔を見て、時には執事の側に休むよう伝えるのは、そのためです。執事が長く続けられなければ、依頼主との関係も続きません。

頭取が現場を離れた瞬間に、基準は机上の言葉になります。私が見ているのは、執事が何をしたかではなく、依頼主が何を感じたかのほうです。
THE BUTLERの執事の装いは、協会が監修した執事の作法に沿っています。昼の勤めは黒のモーニングコートに黒無地の長ネクタイ、夜は燕尾服に白の蝶ネクタイ。白手袋は銀器と食卓に触れるときの約束です。装いは見せるためではなく、依頼主が「この人に任せてよい」と一目で分かるための記号です。
所作についても同じです。扉の開け方、器の置き方、声をかける間合い。すべて協会の基準に沿って教えられ、審査を経ています。THE BUTLERの執事が誰であっても同じ所作で迎えられるのは、この基準があるからです。
装いで最も見られているのは、実は靴です。コートの仕立ては遠目には分かりませんが、靴の状態は近づいた一瞬で伝わります。協会の執事が出かける前に必ず靴を確かめるのは、装いの最後の一点が足元にあると知っているからです。

どの執事が在籍しているか、五つの段階と四つの専門がそれぞれ何を指すのか、そして費用とお申し込みの入口は、THE BUTLER側にまとめてあります。ここに書いたのは運営する側から見た輪郭ですので、実際の条件はあちらでお確かめください。
各事業の窓口の見分け方や、どこへ相談すべきか迷われたときは、執事ベルからお取り次ぎいたします。