執事は実際にどんな場所で働いているのか。個人の住まいでの常在、企業での応対、催事や式典での差配、旅程への同行など、現場は一つではありません。ここでは、THE BUTLERの執事が担う場面を具体的にご紹介し、どんなときに執事が力になれるのかをお伝えします。
個人の住まい
住まいの運営全体を担います。日常の段取り、来客の応対、行事の準備まで、暮らしが滞りなく回る状態をつくります。
常に住み込む形だけではありません。日常は家族で回し、来客や行事のときだけ執事が入る形も一般的です。暮らし方を変えずに執事の手を借りられるため、近年はこの形のご依頼が増えています。
続けてお任せいただくほど、好みや習慣が蓄積され、頼まれる前に整えられる範囲が広がります。
覚えるのは間取りより時間割
住まいに伺う場合、最初の数回でこちらが覚えるのは間取りではなく、その家の時間割です。朝食が何時で、誰が先に出て、来客はどの部屋へ通すのか。図面は一度で覚えられますが、時間割は暮らしを何日か見ないと分かりません。

企業での応対
来客の応対や役員応接の場で執事が務めます。会社の顔として、統一された所作で迎えることができます。
企業では、応対の質が会社の印象を左右します。迎え方、案内、飲み物の出し方、見送りまでを一貫した所作で行うことで、来訪者に落ち着いた印象を残せます。
常駐のほか、重要な来客の日だけ執事が入る形もあります。
立つ位置を先に決める
法人の現場では、執事が立つ場所を先に決めます。受付の内側なのか、扉の外なのか、応接室の隅なのか。立つ位置が一日変わらないことで、社員の方も来訪者も、誰に聞けばよいかを迷わなくなります。所作より先に、位置が仕事をします。

催事・式典での差配
当日の進行と人の配置を差配します。招待客の応対、席次、飲食の段取りなど、複数の要素を同時に動かします。
催しの日は、想定外が起きやすい場面です。到着の遅れ、席の変更、天候の急変。あらかじめ手順を決めておき、崩れたときに何を守るかを判断するのが執事の役割です。
主催者が主役として過ごせるように、進行の負荷を引き受けます。
主催者が席を立つ回数
催しの当日、私どもが最も気を配るのは、主催者が席を立つ回数です。段取りが崩れるたびに主催者が立てば、その日の主役は進行係になってしまいます。崩れたことに気づかせず、席に座ったままでいていただくのが、その日の成否を分けます。

旅程や外出への同行
移動を伴う場面にも同行します。荷物、時間、現地での応対を管理し、移動そのものの負担を減らします。
外出や旅程では、確認すべきことが日常より増えます。持ち物、経路、到着後の段取り。これらを引き受けることで、本来の目的に集中していただけます。
なお、運送や宿泊の予約手配の代行は行いません。案内・同行・現地での応対に徹します。
着く前に決めておく
旅程では、現地に着いてから執事がすることは驚くほど少なくなります。着く前にすべて決めておくからです。現地で迷っている執事は、出発前の仕事を怠ったということです。

どの場面でも共通していること
共通しているのは、先回りして整えることです。場所が変わっても、相手の判断を減らすという役割は変わりません。
住まいでも企業でも催しでも、執事がしているのは同じことです。起こりうることを先に想定し、必要な手配を済ませ、当日は相手を見ることに集中する。
ご依頼の条件や手続きについては、THE BUTLERの公式サイトをご覧ください。
残っていただきたい記憶
場面ごとに見えるものは違っても、依頼主に残していただきたいものは一つです。あの日は何も困らなかった、という記憶です。何が良かったかを具体的に思い出せないほうが、私どもにとっては良い仕事をした日になります。
先に想定する
先に手配する
当日は相手を見る

移動そのものが現場になるとき
車の扉が開いた瞬間から現場です。座席の支度、手荷物、到着後の順路まで、移動は一つの場面として組み立てます。
車での移動に執事が同乗するのは、運転のためではありません。乗り込まれる前に座席の温度と膝掛けを整え、手荷物のどれを手元に置きどれを預けるかを決め、到着したらどの扉から入りどこで一礼するかを先に決めておく。移動の時間を、待ち時間ではなく整った時間に変えるための同乗です。
車内で預かるものの扱い
車内でお預かりするものの扱いにも決まりがあります。書類は封をしたまま膝に置かず、鞄ごと預かる。眠られたときは声をかけず、到着の三分前に室温を上げて自然に目覚めていただく。細かい話に聞こえますが、移動が快適だったかどうかは、こうした一つずつで決まります。
雨の日の段取り
雨の日は特に段取りが増えます。傘をいつ開き、どちらの肩を空けて差し掛け、建物に入った瞬間にどこで畳むか。濡らさないことよりも、濡れるかもしれないと気を揉ませないことを目指します。

支度の日に何が起きているのか
当日の前夜と早朝に、執事の仕事の大半は終わっています。人前に出る所作は、その支度の上に載っているだけです。
催しでも来客でも、執事の一日は前の晩から始まります。使う器を数え、足りないものを補い、卓の寸法を測って席の間隔を決める。当日の朝には靴を確かめ、手袋を替え、燭台の芯を切り、通る順路を実際に歩いて障害物を除きます。
最も時間がかかるのは片づけ
支度の中で最も時間がかかるのは、実は片づけの段取りです。始まりの手順は誰でも考えますが、終わったあと何をどの順で戻すかまで決めておかないと、最後の一時間で慌てます。慌てた執事の姿は、その日の記憶をいちばん損ないます。
見えているのはごく一部
ご主人さまの目に触れるのは、この支度のごく一部です。人前で見える所作が静かに見えるとしたら、それは前の晩と早朝が済んでいるからにほかなりません。

執事が入らないほうがよい場面はあるか
あります。家族だけで過ごしたい時間や、進行の主が別にいる場に無理に入るのは、かえって邪魔になります。
すべての場面に執事が要るわけではありません。ごく親しい方だけの集まりや、ご家族が主催者として動かれたい日には、執事が立つことで空気が硬くなることがあります。そういう日は、支度だけをして退くか、そもそもお受けしないこともあります。
進行の主が別にいる場
進行の主が別にいる場も同じです。式典に司会や幹事がいらっしゃるなら、執事はその方の下で動く一人として振る舞い、全体を差配しようとはしません。誰が決める人かが二人いると、現場は必ず割れます。
受けないと申し上げる
お引き受けするかどうかの判断は、窓口で伺った時点で率直に申し上げます。受けたほうが商いにはなりますが、合わない場に執事を出せば、その日の記憶を損なうのは私どものほうです。
最後に扉を閉める
催しでも住まいでも、終わったあとに執事が最後まで残ります。片づけの終わりを見届け、借りたものを返し、翌日に持ち越すものを書き留めてから帰ります。最後に扉を閉めるのが執事である家は、次に伺うときの支度がすでに半分できています。
よくあるご質問
執事はどんな場所で働いていますか。
個人の住まい、企業の応接、催事や式典、外出や旅程への同行などです。常駐のほか、必要な日だけ入る形もあります。
常駐でなくても頼めますか。
頼めます。日常は家族で回し、来客や行事のときだけ執事が入る形も一般的です。暮らし方を変えずに手を借りられます。
旅行の手配も頼めますか。
運送や宿泊の予約手配の代行は行いません。案内・同行・現地での応対に徹します。境界を明示することが依頼主を守ることになると考えています。
車での移動にも同行しますか。
いたします。座席の支度、手荷物、到着後の順路までを一つの場面として組み立てます。運転そのものは担いません。
執事を入れないほうがよい日もありますか。
あります。ご家族だけで過ごされたい日や、進行の主が別にいらっしゃる場では、支度だけをして退くこともあります。
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