廊下で客人を案内しながら進む方向を示す執事

RECEPTION

来客対応の作法

来客対応とは、訪れた方が迷わず心地よく過ごせるよう、先回りして整えることです。丁寧に振る舞うことよりも、相手に判断させないことのほうが大切になります。ここでは、お迎えの立ち位置から案内、お茶を出す間合い、お見送りまでの流れを、家庭でも会社でもそのまま使える形でお伝えします。

来客対応で最も大切なことは何か

相手に判断させないことです。どこへ進むか、どこに座るか、いつ帰るか。迷う場面が少ないほど、来客は気を遣わずに済みます。

丁寧な言葉づかいよりも、道筋が用意されていることのほうが安心につながります。玄関で立ち止まらせない、部屋の前で迷わせない、席を探させない。これらは事前の準備で解決できます。

準備の中身は、動線の確認と、置くもの置かないものの整理です。通る場所に物がないだけで、案内はずいぶん楽になります。

お迎えの立ち位置

扉の正面ではなく、少し脇に立ちます。正面に立つと相手の進路をふさぎ、圧迫感を与えるためです。

扉を開けたときに真正面に人がいると、相手は一瞬立ち止まります。半歩脇に立ち、開いた側へ体を向けておくと、自然に招き入れる形になります。

挨拶は、相手が完全に入ってから行います。扉を開けながら話し始めると、相手は足を止めて聞く姿勢を取らざるを得ません。動きと言葉を重ねないのが基本です。

案内するときの歩き方

相手の斜め前を歩き、曲がる手前で振り返って方向を示します。速度は相手に合わせます。

斜め前を歩くのは、進路を示しながら相手を視界に入れておくためです。完全に前を歩くと相手の様子がわからず、横に並ぶと道を示せません。曲がる手前で軽く体を向ければ、言葉がなくても方向が伝わります。

階段では、上りは相手が先、下りは案内する側が先に立ちます。転倒したときに支えられる位置に入るためです。

着席した客の右手前に茶を供する執事

お茶を出す間合い

会話の区切りを見て、静かに置きます。話の途中に割り込まず、言葉は最小限にとどめます。

早すぎれば話の腰を折り、遅すぎれば間が空きます。目安は、席についてから落ち着くまでの数分後、会話がひと段落した瞬間です。声をかけるとしても「失礼いたします」の一言で十分です。

置く位置は、相手の右手前が基本です。取っ手のある器は、持ちやすい向きに整えて置きます。音を立てないことが最も重要です。

辞去の気配をどう察するか

時計を見る、荷物に手を伸ばす、姿勢が浅くなる。こうした動きが出たら、こちらから区切りをつくります。

帰りたいと言い出すのは、相手にとって負担です。気配を察してこちらから「本日はお時間をいただきありがとうございました」と切り出せば、相手は自然に立てます。

帰る意思を示された後に話を続けないことも大切です。玄関までの間に新しい話題を出すと、相手はまた腰を落ち着ける必要が出てきます。

お見送りの終わり方

相手の姿が見えなくなるまで見送ります。扉はすぐに閉めません。振り返ったときに閉まっていると、断ち切られた印象になります。

玄関先で一礼し、相手が背を向けてからも数秒その場に留まります。角を曲がる、車が動き出すなど、視界から外れるまで見送るのが基本です。

小さなことですが、最後の印象は残ります。迎えるときより、見送るときのほうが記憶に残ると考えています。

よくあるご質問

来客対応で最も大切なことは何ですか。

相手に判断させないことです。どこへ進むか、どこに座るか、いつ帰るか。迷う場面が少ないほど来客は気を遣わずに済みます。

お茶はいつ出すのがよいですか。

席についてから落ち着くまでの数分後、会話がひと段落した瞬間です。話の途中に割り込まず、言葉は最小限にとどめます。

案内するときはどこを歩きますか。

相手の斜め前を歩き、曲がる手前で振り返って方向を示します。階段では上りは相手が先、下りは案内する側が先に立ちます。

お見送りはどこまですればよいですか。

相手の姿が見えなくなるまでです。角を曲がる、車が動き出すなど視界から外れるまで見送り、扉はすぐに閉めません。

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