包装された贈り物を両手で差し出す執事

GIFT

贈り物のマナー

贈り物は、相手の状況を読む力が最も表れる場面です。何を選ぶかより、相手にとって負担にならないかどうかが判断の中心になります。ここでは慶事と弔事で変わる作法、避けたほうがよい品、のしと表書きの考え方、そして手渡しのときの所作までをお伝えします。

贈り物選びの基準

相手が受け取ったあとに困らないものを選びます。保存が利く、分けやすい、置き場所を取らない。この三つが実用的な基準です。

自分の好みや珍しさで選ぶと、相手の負担になることがあります。日持ちのするもの、家族や職場で分けられるもの、大きすぎないもの。この条件を満たすだけで、たいていの場面は外しません。

高価すぎるものも避けます。相手に返礼の負担を感じさせるためです。関係性に見合った範囲に収めるほうが、心遣いとして伝わります。

慶事と弔事で何が変わるのか

包み方、水引の色と結び方、表書きの言葉が変わります。慶事は繰り返してよいものと一度きりのもので、さらに結び方が分かれます。

何度あってもよい慶事には結び直せる蝶結び、一度きりであってほしい慶事や弔事には結び切りを用います。婚礼と弔事はいずれも結び切りです。この区別を知っていれば、大きな誤りは避けられます。

弔事では、華美な包装や派手な色を避けます。品物も、後に残らないものが好まれる傾向があります。

避けたほうがよい品

場面によって意味を持つ品があります。刃物、櫛、白いハンカチなど、贈る相手と場面によっては避けたほうが無難です。

刃物は縁を切るという連想があり、櫛は語呂から避けられます。白いハンカチは別れを想起させる場面があります。いずれも絶対の禁忌ではありませんが、気にする方がいる以上、選ばないほうが安全です。

食べ物では、相手の体調や食事制限を確認できない場合、日持ちする定番のものが無難です。健康上の理由で食べられないものを贈ってしまうと、相手は処分に困ります。

包装した贈り物を机に置く執事

のしと表書きの考え方

表書きは目的を示す言葉です。御礼、御祝、御見舞など、何のための贈り物かがひと目でわかるように書きます。

表書きを書くのは形式のためではなく、受け取った側が整理しやすくするためです。複数の贈り物が届く場面では、何のためのものかがわかることが実用的な助けになります。

名前は表書きより小さく書きます。主役は目的であって、贈り主ではないという考え方です。

手渡しのときの所作

紙袋から出して、正面を相手に向けて両手で渡します。紙袋のまま渡すのは略式で、持ち帰り用として添える形が本来です。

室内では、袋から取り出して渡します。渡す向きは、相手から見て正面になるように回します。両手で持ち、目線を合わせてから差し出すと、動きが落ち着いて見えます。

ただし屋外や立ち話の場面では、袋のまま渡すほうが自然です。形式より、その場で無理のない形を優先します。

渡すときに添える言葉

「つまらないものですが」は避け、選んだ理由や相手を思った言葉を短く添えるほうが自然です。

謙遜の定型句は、現在ではかえって不自然に響くことがあります。「お好きだと伺いましたので」「日持ちしますので皆様で」といった一言のほうが、相手には伝わります。

長い説明は不要です。一言添えて、すぐに本題へ戻るくらいがちょうどよい分量です。

よくあるご質問

贈り物は何を基準に選べばよいですか。

相手が受け取ったあとに困らないものです。保存が利く、分けやすい、置き場所を取らないの三つが実用的な基準になります。

避けたほうがよい贈り物はありますか。

刃物、櫛、白いハンカチなど、場面によっては意味を持つ品があります。絶対の禁忌ではありませんが、気にする方がいる以上避けるほうが無難です。

手土産は紙袋のまま渡してよいですか。

室内では袋から出し、正面を相手に向けて両手で渡すのが本来です。屋外や立ち話では袋のまま渡すほうが自然です。

「つまらないものですが」と言うべきですか。

現在ではかえって不自然に響くことがあります。選んだ理由や相手を思った言葉を短く添えるほうが伝わります。

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