装い、所作、英国紳士の教養。全日本執事協会 執事ベル監修の Gakken の一冊について、執事として押さえてほしい点を交えながら、章ごとに中身をご紹介します。
本の概要 / About the Book

『執事のマナーと教養図鑑』は、執事の身だしなみ、ふるまい、仕える相手の文化までをテーマ別にまとめた図鑑です。全日本執事協会が監修し、池袋の執事喫茶Swallowtailにも協力をいただいています。
執事の作法は、覚えた決まりをそのままなぞるものではありません。いつ、誰のために、何を整えるのかを考えて選ぶものです。本書は、服、所作、道具、教養という流れで執事の仕事をたどる章立てで、作法の理由まで見通しやすい構成になっています。
全体は4章立てで、締めくくりにSwallowtailとのコラボページがあります。礼装や所作に自信を持ちたい方、おもてなしの仕事をしている方、英国の暮らしを背景から知りたい方に、手に取っていただきたい内容です。
| 書名 | 執事のマナーと教養図鑑 |
|---|---|
| 監修 | 全日本執事協会 |
| 協力 | 執事喫茶Swallowtail |
| イラスト | ツツイモモエ、omiso |
| 出版社 | Gakken |
| 発売日 | 2026年9月17日 |
| 判型 | 単行本・144ページ |
| 価格 | 1,870円(税込) |
| ISBN | 978-4-05-802760-8 |
第1章 執事の歴史と装いのマナー / History & Dress

第1章は装いの章です。入口にあるのは、執事の服になぜ黒が選ばれるのかという問いです。
私が装いを整えるとき最初に考えるのは、その場の主役が誰かということです。黒は目立たず、それでいて場の格を保てる色です。服は自分を見せるためではなく、主人と客人のために着るものだという考え方が、執事の装いの出発点にあります。
昼と夜で着分ける4つの服
モーニングコート、タキシード、燕尾服、チェスターコートの4着が取り上げられています。
見本のページでは、モーニングコートは朝から夕方までの正装、燕尾服はいちばん格式の高い夜の正装として紹介され、上着のボタンを留めるかどうかといった細かな決まりまで書かれています。服の違いを見比べながら読める構成です。
懐中時計とカフス
懐中時計の種類と使い方、カフスも項目として扱われています。時間を確かめるしぐさや袖口は、思っている以上に相手から見えています。小物の扱いまで整えて、はじめて装いが仕上がります。
第2章 執事の美しいふるまいと手入れ術 / Conduct & Care

第2章は、執事の所作をひとつずつ取り上げた章です。紅茶とワインの給仕、主人を迎えるエスコート、物語でもおなじみのお姫さま抱っこのコツまでが解説されています。
給仕の作法
給仕で私が意識しているのは、注ぐ手元にお客様の視線を集めないことです。量や順番、器の位置といった決まりは、どれも会話や食事の邪魔をしないためにあります。ご家庭でお茶を出すときにも使える考え方です。
エスコートの作法
エスコートでは、相手の歩く速さに合わせ、扉や段差の前で先に動きます。相手が不安を感じない位置にいることが基本で、大切な方を案内する場面ならどこでも同じです。
銀器と靴の手入れ
章の後半は、銀器と靴の手入れです。人前での所作が美しく見えるのは、見えないところで道具が整っているからです。執事の仕事の裏側にあたる部分が、ここにまとめられています。
第3章 執事が知っておくべき英国紳士の教養 / A Gentleman's Culture

第3章は、執事が仕えてきた英国紳士の文化の章です。お酒ならウイスキーとカクテル、趣味なら文学・音楽・チェス、身の回りでは文具と煙草、そして貴族の屋敷の調度まで、紳士の暮らしを形づくるものが並びます。
教養があってこそ気配りができる
主人の好みや会話の背景を知らなければ、先回りした準備はできません。お酒の種類を知っていれば器を選べますし、話題を知っていれば会話を遮らずに控えていられます。作法の形を支えているのは、相手の文化への理解です。
第4章 執事の世界を楽しむ方法 / Enjoying the World of Butlers

第4章は、本の知識を体験につなげる案内の章です。執事に会える場所や英国の邸宅文化を感じられる国内の名所、執事が登場するおすすめの作品が紹介されています。所作は、実際に目の前で見ることでよくわかります。読んで知ったことを確かめに出かけるきっかけになる章です。
執事喫茶Swallowtailのページと特典
最後のページでは、Swallowtailで出されているメニューが本の世界観で描き起こされ、同店で働く執事の伊織さんからの言葉も読めます。巻末の2次元コードからは、同店のロゴ入りの壁紙を受け取れます。
